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ジラロッソと調理暖炉

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フィオレンテーナの焼肉で有名なフィレンツェのレストランには、キッチンに近いホールに大きな暖炉があるお店が少なくない。

暖炉の中にジラロッソをおいてチキンや大きなブロックの肉を串に刺して焼いている光景も見られる。
12年ほど前になる。イタリアのフィレンツェにあるジラロッソの製作所から、2台のジラロッソを輸入した。


1990年5月、三笠会館社長様とイタリア店のシェフたちと、三笠会館商社会のメンバーでイタリアに旅をした。パルマで開催されるチブス (イタリア国内食品展) を見に行くこと、谷社長お勧めのレストランを訪問する旅であった。
ミラノからスタートして、モディナ、パルマ、フィレンツェからローマまでの食べ歩きである。

諏訪角商店は、既に三笠会館のカジュアル イタリア料理店 「アジオ」の店名でオープンした、市川市鬼塚のニッケコルトンプラザの独立店舗に、イタリアから輸入した第一号の窯、アンブロッヂ社のピッツァ石窯を納入していた。
「アジオ」の展開は、店のコンセプトが明快で、メルカート レストランとして市場の賑わいを体験できる雰囲気に満ちていた。
メニューは、リーズナブルな価格で提供していた。「アジオ」の展開は、全ての店が店舗の最前線にピッツァ窯を配置して、ピッツァ職人がお客様を笑顔でお迎えするようになっていた。
今から22年前にこのスタイルを作り上げた三笠会館の谷社長とスタッフにめぐり合えたことが、諏訪角商店の最大の喜びである。

イタリアとの取引が既に 5社余りあったので、たびたび訪問していたが、食べ歩いたリストランテでは、新しい発見をする連続であった。
イタリア研修旅行は、想像以上の収穫を得た、すばらしい旅となっていまだに鮮明に記憶している。


パルマで開催されている「チブス」を見学する前に、モディナに向かう田園風景の中に「イルソーレ」がある。星のついたリストランテだ。
二人の日本人がキッチンで働いていた。アンティとドルチェを担当していた。

4~5年後、帰国したKさんから電話が入った。独立して店を開店する。ついてはアンブロッヂ社のピッツァ オーブン (薪を燃やす石窯) を入れて、ピッツァの提供できる小さな店を出店する・・・との連絡だった。

イタリアのピッツェリアを良く知っているKさんは、一番大きな窯の注文を頂いた。
たいへん繁盛して話題になったピッツェリアとなった。スタッフが増えてくると、ピッツァ以外のお料理もメニューに載るようになった。前菜、パスタ、メインの肉料理は、イタリアで学んできた感性が発揮され、主張がある料理だった。

ピッツァのお店を4~5年続け、またお問合せの電話が入った。「ジラロッソ」を輸入してもらえるか・・・との話しだった。

三笠会館の「イタリア研修の旅」でフィレンツェの街の小路に店を構え、赤々と燃える大きな暖炉の中で、鶏が鉄の大きな串に5~6羽並んで、同じような鶏が並んだ串が3本、回りながら、さらにグルグルと回転している機械を観た。
聞くと「ジラロッソ」と言う。フィレンツェ辺りにあるはずと、見当をつけて、メーカーを捜し当てた。

2台の「ジラロッソ」をイタリアから輸入できて、1台を新しいお店の大きな暖炉の中に、据え付けられた。もう1台は、故障した場合のスペアとして会社で保管していた。


大きなな暖炉と「ジラロッソ」が組み込まれたお店は、席数が多いお店だった。街の中心街にあって、薪を燃やし、炎の中で焼く演出は、話題を投げて、繁盛していた。

熱い暖炉の中にある「ジラロッソ」の駆動モーターユニットは、心配していた通りトラブルが起きた。
スペアの同じ機械から部品を外して、修理しながら面倒をみてきた。

訪問した際に食べた子羊を焼いた肉の味が忘れられない。肉の周りは、こんがりと色付きながら中はきれいなピンク色でジューシーである。

しかし現在その店は、閉店してしまい、食べることが出来ない。

私が、初めて「調理暖炉」と出会ったのは、ガルダ湖の湖畔にあるリストランテであった。


ピッツァオーブンの備品、窯の中にピッツァを挿入するパラを専門に作っている「ジオペペ社」を訪問したとき、連れて行ってくれた。

キッチンのホール側に暖炉はあった。暖炉から、裏に回ると大きなキッチンがあった。
薪を燃やし、真っ赤な炭火を暖炉の手前に引き寄せて、焼き物をしている。

名物は、ガルダ湖で採れた「うなぎ」だ。食べれるかと問われ、うなぎは日本人が大いに食べるし、大好物だと伝えた。

暖炉でグリルしているところを見に行くと、是が「うなぎ・・」2cmもある肉厚のお肉が香ばしいにおいを振りまいている、これが「うなぎ」かと想った。

まさに、日本の「うなぎの白焼き」だ。大きなお皿に三切れの巨大なうなぎが盛られたお皿が目の前に届いた。ガルダ湖の湖畔にはオリーブの農場がある。絞りたての、トローとした濃厚なオリーブ油をうなぎにてらして、すこし塩を振り食べた。

以外にあっさりと食べられたが、肉厚で三切れの白焼きは、さすがやっとの思いであったが、きれいに食べた。

このレストランの「調理暖炉」は店のインテリアと非常によくマッチしていた。


ミラノ郊外のトラットリア「ロンド」の調理暖炉で焼く牛肉の話を続けよう。

調理暖炉を使う、「料理人」と、「暖炉の火」と焼く「もの (肉であったり魚または野菜) 」との格闘だと思っている。

料理人の真剣な目の動きが感動を呼ぶ。薪を投げ込む、焼き色をじっと見つめる、炎を見る。額からは汗が滴る。動きがある。

原始的な料理だが、素材の旨みを十分に引き出す、暖炉の炎。偉大な料理人であると、感心しながら、暖炉の前に立ってじっと見ている。食事の前の一番楽しい時である。

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